矯正歯科 Orthodontic Dentistry
歯並びを治す矯正歯科（歯列矯正）治療は、口元の美しさという審美性と、
歯の正常な咀嚼機能を取り戻し健康な身体をつくるための機能性を併せ持った治療法です。
矯正は子どもがするものというイメージがある方もいらっしゃいますが、歯と骨の状態がよければ何歳からでも始められます。
良い歯並びとは Straight teeth
歯並びが悪いと、見た目が気になったり、歯の手入れがしにくいため虫歯や歯周病になりやすくなったりします。
また、噛み合わせに問題があると全身の健康に影響を与える場合があります。
きれいな歯並びとは
- 前歯も奥歯もバランスよく咬み合っている。
- 上の前歯が下の前歯の3分の1から4分の1を覆っている。
- 上下の歯やあごの中心が一致している。
- Eライン（鼻と顎の先端を結ぶ線）に唇が軽く接する。
歯並びが良いと…
- 笑顔や横顔が美しくなる
- 手入れがしやすくなることで、歯の長持ちに繋がる
- よく噛むことで脳が活性化する
- よく噛むことで肥満予防になる
- しゃべる際の発音が良くなる
歯並びが悪いと…
- 歯の磨きにくい部分に歯垢がたまり、虫歯や歯周病になりやすい
- 歯が均等に咬んでいないため、顎関節の負担が大きくなり、顎関節や筋肉に炎症を起こしやすくなる
- 歯と歯のすき間が大きかったり歯が内側に倒れていると、正しい舌の動きができないため、正常な発音ができなくなる場合がある
- 咬み合わせがずれていたり奥歯がないと、肩こりや頭痛などの原因の一つになることがある
不正咬合の種類 Types of Malocclusion
不正咬合とは、咬み合わせや顎の位置が正常な位置からずれている状態を言います。
種類も原因もいろいろあり、程度によっては矯正とは違う治療法により短期間で治せる場合もあります。
叢生（そうせい）
でこぼこに生えた乱ぐい歯、犬歯が飛び出した八重歯のことを言います。
顎に対して歯が大きい、または顎が小さすぎて歯がおさまらないことが原因です。
物がつまりやすく手入れもしにくいため虫歯になりやすかったり、歯が頬にあたり口内炎になることもあります。
上顎前突（じょうがくぜんとつ）
上の歯が出っ張っているいわゆる出っ歯です。
上の前歯が大きく前方に傾斜したり、逆に下の前歯が大きく後方に傾斜してる場合があります。
また、上顎が大きかったり、下顎が小さかったりといった骨格の大きさが原因の場合もあります。
前歯で物が噛み切れなかったり、口がいつも開けっ放しになる傾向があります。
口が開けっ放しになることで口の中が乾燥し、口臭や歯周病の原因になります。
幼少期からの治療でかなり改善することもあります。
反対咬合（はんたいこうごう）
一般的には受け口と言われ、上下の噛み合わせが逆になっている状態を言います。
下の前歯が大きく前方に傾斜したり、逆に上の前歯が大きく後方に傾斜してる場合があります。
また、下顎が大きかったり、上顎が小さかったりといった骨格の大きさが原因の場合もあります。
幼少期からの治療でかなり改善することもあります。
開咬（かいこう）
奥歯で噛んでも前歯は噛んでおらず、上手く噛めない、また口が閉じにくい状態を言います。
上と下の前歯が当たらなく、前歯でものを噛み切れないことがあります。
舌を前に出す癖、指しゃぶり、嚥下時の運動が原因となっていることがあります。
空隙歯列（くうげきしれつ）
歯の間の隙間が大きいすきっ歯のことを言います。
顎に対して歯が大きい、または顎が小さすぎて歯がおさまらないことが原因です。
過蓋咬合（かがいこうごう）
前歯の重なりが大きく、下の前歯が見えない状態を言います。
下顎の動きを制限し、顎の関節に症状がでることもあります。
こどもの矯正 Children’s Orthodontics
小児矯正では、お口の状態により治療目標が異なり、開始する時期の違いによって1期治療と2期治療に分けることができます。
1期治療は、4～5歳の乳歯だけの時期から11歳くらいまでの永久歯と乳歯が混在している時期に行う、顎の骨のバランスや大きさを整える骨格矯正治療です。
2期治療は、生えそろった永久歯全体の噛み合わせを整えるための本格的矯正装置による治療です。
歯並びが悪くなる癖
歯が大きい・小さい、顎の骨が大きい・小さい、上下のバランスが悪い…等の生まれつきの歯並び以外に、
- ・食事の食べ方の癖
- ・舌を出す癖
- ・指しゃぶり
- ・タオルや衣類、おもちゃ等を噛む癖
日頃からこういった癖が身につかないよう注意が必要です。
小児矯正の開始時期
Aの時期（3～7歳）に矯正すると
物心ついたばかりの時期に歯の矯正をすることは、精神的にストレスが生じさせたり、治療に対する理解が乏しく協力が得られないなどの不都合も考えられます。
この時期に矯正を行うことが一番いいお子さまもいらっしゃいますが、意味もなく早い方がいいということはありません。
この時期に一度矯正治療を専門とする医師に診てもらいましょう。
Bの時期（7～12歳）に矯正すると
前歯4本が永久歯に生え変わる時期です。
お子さまの歯の状態によって適正な治療開始時期は異なりますが、この時期ぐらいに矯正治療を専門とする医師に診ていただくことをお勧めします。
遺伝によるものか、骨格のズレかを判断して、開始時期を決定します。
また、Cの時期（12歳以降）になると主にワイヤーを使用するのですが、この時期であれば必ずしもワイヤーを使用するわけではなく、取り外しのできる装置を使うことが多くあります。
このような取り外し可能な装置は、固定式に比べメンタル的な苦痛や食事の苦痛が軽減されます。
Cの時期（12歳以降）に矯正すると
この時期になると永久歯が生え揃うため、全体の治療になることが多く、また根がしっかりと固定されているので矯正で動かすのも時間がかかります。
そのため、矯正治療期間も長くなり、心身的な苦痛やストレスも必然的に多く感じてしまいます。
小児矯正のメリット
- 乳歯の抜歯タイミングをコントロールする事により、悪い方向に生える原因を減少させ、噛み合わせを良い状態に導ける
- 顎の成長期に噛み合わせの改善をすることで、変形のないバランスのとれた噛み合わせになる
- 手術の必要性が減少する
- 狭かったあごを広げたり、あごの成長を正しい形に促す事により、不必要な抜歯の可能性を減らせる
- あらかじめ小児矯正時期に歯並びを改善する事で、本格矯正が必要となった場合に治療装置をつける期間を短くすることができる
- 早期に歯並びを改善する事によって、悪い噛み合わせが原因の極端な歯のすり減りや顎への負担を減少させる
- 早めに歯並びを改善する事によってコンプレックスを解消し、健全な精神発達の環境を整えられる
小児矯正のデメリット
- 精神的にストレスが生じたり、治療に対する理解が乏しく協力が得られない場合もある
矯正方法 Orthodontic Treatment Methods
矯正治療では、患者様の症例・年齢・環境等により様々な矯正装置があります。
メタルブラケット
歯の表側に接着する金属製のブラケットです。
最も一般的な矯正治療方法です。
メタルブラケットのメリット
- 金属製なので丈夫
- 多くの不正咬合の種類に対応できる
- 他の装置に比べて安価なため、治療費を抑えることができる
メタルブラケットのデメリット
- 装置が銀色のため目立つ
ブラケットにワイヤーを固定するために用いる数ミリサイズの小さな輪ゴムのことをカラーゴム（カラーモジュール）と言い、カラーが数十種類もあります。
治療中はワイヤー調整時に輪ゴムを取り替えることになるので、ニーズや気分に合わせて着せ替え感覚で楽しむことができます。
審美ブラケット
白や透明の目立ちにくい色のブラケットを審美ブラケットといいます。
製品によって材料が異なり、セラミック製やプラスチック製などがあります。
審美ブラケットのメリット
- 多くの不正咬合の種類に対応できる
- メタルブラケットよりも目立ちにくい
- 非金属製なので金属アレルギーの方でも治療が可能
審美ブラケットのデメリット
- メタルブラケットに比べ、治療費はやや高額
- メタルブラケットと比較すると、多少強度が弱い（材料により異なる）
リンガルブラケット
歯の表側に接着する金属製のブラケットです。
リンガルブラケットのメリット
- 表側からは矯正装置が見えづらい
- 周囲の人から気付かれずに矯正治療を行うことができる
リンガルブラケットのデメリット
- 装置に慣れるまで舌が装置にあたる違和感を感じたり、発音がしにくい場合がある
- 舌側に装置を装着する技術が必要なため、表側矯正より治療費がかかる
マウスピース型矯正歯科装置
ワイヤーやブラケットを使わず、透明で薄いマウスピース型の装置を用いて歯を動かします。
装置は自分で取り外し可能です。
マウスピース型矯正歯科装置のメリット
- ワイヤーやブラケットを装着しないので、違和感や不快感が少ない
- マウスピースは薄くて透明なので、周囲の人からほとんど気付かれない
マウスピース型矯正歯科装置のデメリット
- 指定された装着時間を守らないと治療の結果に影響を及ぼすことがある
- 治療できる症状が表側矯正よりも限定される
床矯正
床矯正とは、主に発育途中にある子どもの顎の骨を正常に発育させ、綺麗な歯並びにする方法です。
写真のような取り外し可能な装置で顎の骨を少しずつ広げていきます。
床矯正のメリット
- 取り外しが可能なので、通常のブラッシングができる
- 抜歯をしないで済む場合がある
- 床矯正のみで済む場合、治療費を抑えられる
床矯正のデメリット
- 装置を長時間自発的に装着しなければならないので、嫌がるお子さまなどは治療がうまく進まないことがある
歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正
通常の矯正は、歯と歯をワイヤーやゴムで引っ張り合わせることで歯を動かすため、強い力がかかると支点になる歯まで動いてしまうという問題がありました。
一方、歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正では、歯を人工歯根（インプラント）で引っ張り移動させていきます。
インプラントを支点に引っ張ることで歯の動きが安定しスムーズに動くため、通常2～3年かかる矯正期間を大幅に短縮することが可能です。
アンカースクリューを用いた矯正のメリット
- 確実でスムーズな歯の移動が可能なため、治療期間の短縮に繋がる
- 抜歯を最小限に抑えることができる
- 外科的治療（顎の骨を切る等）が必要な症例でも、手術せずに治療できる場合がある
アンカースクリューを用いた矯正のデメリット
- 治療費が多少高くなる
- 矯正用インプラントを埋め込むための歯科手術が必要（10～20分程度）
- 骨がしっかりする16歳以上でないと埋入できない
治療の流れ Flow
初診
カウンセリングを行います。歯の状態を確認し、どんな治療が必要か、また費用や期間などをわかる範囲でご説明します。
検査
最適な治療に必要な情報を得るために、虫歯のチェック、歯牙模型、レントゲン、写真などの検査を行います。
治療方針および費用の説明
検査結果をもとに、治療方針や期間・費用などをご説明します。
矯正器具の装着
矯正装置を取りつけます。装着後のブラッシングの仕方や、装置についての注意点などもご説明します。
定期的な治療
1～2ヶ月に一度来院していただき、治療のチェックやワイヤーの調節などを行います。
矯正器具の除去
矯正装置をはずします。まだ安定はしていないので、歯の後戻りを防ぐため、リテーナーという装置をつけます。
定期的な治療
1～6ヶ月に一度来院していただき、リテーナーのチェックと歯の状態を確認します。
メンテナンス
歯の状態の最終チェックをし、治療を終了します。その後のアフターケアも大切です。
矯正治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
- 歯の動き方には個人差があるため、予想された治療期間が延長になる可能性があります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯を動かすことにより、歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯茎が痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状がでることがあります。
- 最初は矯正装置による不快感や痛み等がありますが、数日間～1、2週間で慣れることが多いです。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者様の協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。
虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。 - 治療中に「顎関節で音が鳴る」「顎が痛い」「口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物（補綴物）の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、矯正後の咬み合わせに合った状態のかぶせ物（補綴物）や虫歯の治療（修復物）などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により、噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凹凸が生じる可能性があります。
また、加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると、咬み合わせや歯並びが変化することがあります。
その場合、再治療等が必要になることがあります。
治療費 Price
| 初診相談料 | 無料 |
|---|---|
| 基本検査料 | ￥11,000（税込） |
| 診断料 | ￥55,000（税込） |
| 装置料金 | 【小児】第1期治療 ￥275,000～440,000（税込） 第2期治療 ￥330,000～550,000（税込） 【大人】￥770,000～880,000（税込） |
| 処置料金 | 通院時 ￥7,700（税込） |
| 装置除去料（保定装置込み） | ￥11,000～27,500（税込） |
※第1期治療（骨格矯正）…4歳～11歳
※第2期治療（歯列矯正）…11・12歳～成人
矯正歯科治療でよくいただくご質問
多少の痛みはありますが、3日～1週間ほどで治まります。
それぞれの患者様に合った方法を治療開始後にお教えいたします。
その場合には虫歯の治療を優先します。
すぐに治療の予約をお取りできますのでご安心ください。
電車でお越しの方
横浜線・横浜市営地下鉄ブルーライン 新横浜駅より徒歩３分
お車でお越しの方
提携駐車場あり
詳しくはアクセスのページをご覧ください
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10:00 - 13:30 | ○ | ○ | ○ | 休 | ○ | 9:30 - 15:00 | 休 |
| 15:00 - 20:00 | ○ | ○ | ○ | 休 | ○ |